コラムカテゴリ
性感染症
当記事の監修医師
医療法人 御照会 理事長
倉田照久
池袋サンシャイン通り皮膚科 院長
カンジダはどんな匂い?細菌性腟炎との見分け方や対処法などを解説
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当記事の主な参照元:
性感染症 診断・治療ガイドライン 2020
カンジダ症|MDSマニュアル
細菌性腟炎|日本感染症学会
おりものの臭いがいつもと違うと、「カンジダかもしれない」と不安になる方もいるでしょう。しかし、臭いだけでカンジダかどうかを判断することは難しく、ほかの病気が関係している場合もあります。
本記事では、カンジダ腟炎の原因やおりもの・臭いの特徴、細菌性腟炎との違い、受診の目安や対処法について解説します。
この記事の目次
カンジダとは?

カンジダは、もともと皮膚や口腔、腸、腟などに存在する「カンジダ属の真菌(カビ)」によって起こる感染症です。ここでは、カンジダ腟炎の特徴や発症する原因について解説します。
カンジダ腟炎とは
カンジダ腟炎とは、腟内にもともと存在しているカンジダ菌が、何らかの原因で増殖することで起こる腟の炎症です。女性に比較的多くみられる疾患ですが、性行為によって感染することもあるものの、必ずしも性感染症ではありません。
主な症状には、外陰部や腟のかゆみ、ヒリヒリとした痛み、白くポロポロしたおりものなどがあります。
ただし、症状の現れ方には個人差があるため、症状のみで自己判断することは避け、気になる症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。
カンジダになる原因
カンジダ腟炎は、腟内の環境バランスが崩れ、カンジダ菌が増殖することで発症することがあります。
原因として、抗菌薬の服用による腟内細菌の変化、疲労やストレス、睡眠不足などによる体調の変化、妊娠によるホルモンバランスの変化などが関係すると考えられています。
また、糖尿病などの基礎疾患や免疫機能が低下している状態では、発症リスクが高まる場合があります。
カンジダは再発しやすい?
カンジダ腟炎は、一度治療して症状が落ち着いた後も再発することがあります。特に、年間に複数回繰り返す「再発性外陰腟カンジダ症」がみられる場合もあります。
再発には、体調の変化、ストレス、睡眠不足、抗菌薬の使用などさまざまな要因が関係すると考えられています。
再発を繰り返す場合には、自己判断で市販薬を使用し続けるのではなく、婦人科で原因や治療方法について相談することが大切です。
カンジダの臭いはどんな匂い?

カンジダ腟炎では、おりものの変化やかゆみが特徴的な症状とされています。臭いの変化がみられることもありますが、必ずしも強い臭いが現れるわけではありません。
カンジダの臭いは強くないことが多い
カンジダ腟炎のおりものは、臭いがほとんど気にならない場合や、わずかに発酵したような臭いを感じる場合があります。
臭いの感じ方には個人差があり、臭いだけでカンジダと判断することはできません。かゆみやおりものの性状など、ほかの症状もあわせて確認することが重要です。
チーズのような臭いと表現されることがある
カンジダ腟炎のおりものは、「カッテージチーズ」「ヨーグルト」「酒かす」のような白くポロポロした状態と表現されることがあります。
ただし、これらはあくまで一般的な特徴であり、すべての方に同じ症状が現れるわけではありません。カンジダでは、臭いよりもおりものの見た目の変化が特徴として挙げられます。
カンジダで臭いがきつくなることはある?
カンジダ腟炎で強い臭いを感じる場合には、炎症の程度や腟内環境の変化が関係している可能性があります。
また、魚のような強い臭いなど明らかな臭いの変化がある場合には、細菌性腟炎などカンジダ以外の病気が関係している可能性もあります。
臭いの変化に加えて、強いかゆみ、痛み、異常なおりものなどの症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
魚臭い場合はカンジダではなく細菌性腟炎の可能性も

おりものから魚のような強い臭いを感じる場合、カンジダではなく細菌性腟炎など別の疾患が関係している可能性があります。ただし、臭いだけで原因を判断することは難しいため、気になる症状が続く場合は婦人科で相談することが大切です。
細菌性腟炎とは
細菌性腟炎とは、腟内にもともと存在している常在菌のバランスが崩れることで、特定の細菌が増殖して起こる腟の炎症です。性行為によって発症することは稀で、性感染症ではありません。
主な症状として、灰白色でさらさらとしたおりものや魚のような臭いがみられることがあります。一方で、自覚症状が少ない場合もあります。
魚臭いからといって必ず細菌性腟炎とは限らない
魚のような臭いがある場合でも、必ずしも細菌性腟炎とは限りません。トリコモナス腟炎などの感染症や、その他の腟・外陰部の疾患が原因となっている可能性もあります。
また、症状の現れ方には個人差があり、臭いやおりものの状態だけで病気を判断することは困難です。自己判断で治療を始めるのではなく、症状に応じて医療機関で診察を受けましょう。
カンジダと細菌性腟炎の違い

カンジダ腟炎と細菌性腟炎は、どちらもおりものの変化や違和感などを生じることがありますが、原因となる微生物や症状の特徴、治療方法が異なります。
カンジダと細菌性腟炎の比較表
| カンジダ腟炎 | 細菌性腟炎 | |
| 原因 | カンジダ属の真菌(カビ)の増殖 | 腟内の常在菌バランスの乱れによる特定の細菌の増殖 |
| 臭い | 目立たない場合が多く、軽い発酵臭を感じることがある | 魚のような臭いを感じることがある |
| おりもの | 白色でポロポロした、カッテージチーズ状のおりものがみられることがある | 灰白色でさらさらしたおりものがみられることがある |
| かゆみ | 強いかゆみを伴うことが多い | かゆみは比較的少なく、臭いが主な症状となることがある |
| 治療法 | 抗真菌薬が使用される | 抗菌薬が使用される |
※症状の現れ方には個人差があり、表の特徴に当てはまらない場合もあります。
おりものの違い
カンジダ腟炎では、白くポロポロとしたカッテージチーズのようなおりものがみられることがあります。一方、細菌性腟炎では、灰白色で水っぽくさらさらしたおりものが特徴とされています。
ただし、おりものの色や状態だけで原因を特定することは難しく、同じ疾患でも症状の現れ方には個人差があります。
かゆみや痛みの違い
カンジダ腟炎では、外陰部や腟の強いかゆみ、ヒリヒリした痛みなどがみられることがあります。
一方、細菌性腟炎では強いかゆみを伴わない場合も多く、臭いやおりものの変化が主な症状となることがあります。
治療法の違い
カンジダ腟炎と細菌性腟炎では原因となる微生物が異なるため、治療に使用される薬も異なります。カンジダ腟炎では抗真菌薬、細菌性腟炎では抗菌薬による治療が行われることがあります。
自己判断で市販薬を使用すると、原因となる疾患に適していない場合があります。症状がある場合は、医療機関で原因を確認したうえで適切な治療を受けることが大切です。
カンジダ腟炎が疑われる症状

カンジダ腟炎では、おりものの変化や外陰部のかゆみなど、さまざまな症状が現れることがあります。ただし、臭いだけでカンジダかどうかを判断することは難しく、ほかの疾患でも似た症状がみられる場合があります。気になる症状がある場合は、婦人科で相談しましょう。
おりものの変化
カンジダ腟炎では、白くポロポロとしたカッテージチーズのようなおりものがみられることがあります。
一方で、おりものの量や状態には個人差があり、必ずしも典型的な変化が現れるとは限りません。いつもと違うおりものが続く場合は、原因を確認するためにも医療機関への相談を検討しましょう。
外陰部のかゆみ
外陰部の強いかゆみは、カンジダ腟炎でよくみられる症状の一つです。かゆみに加えて、赤みや腫れ、ヒリヒリとした刺激感を伴うこともあります。
ただし、かゆみの原因はカンジダだけではなく、かぶれやほかの感染症などによって起こる場合もあるため、症状だけで自己判断することは避けましょう。
排尿時や性交時の痛み
カンジダ腟炎では、炎症によって外陰部や腟の粘膜が敏感になり、排尿時のしみるような痛みや、性交時の痛みを感じることがあります。
これらの症状は、尿路感染症やほかの婦人科疾患でもみられることがあるため、痛みが強い場合や症状が続く場合は受診を検討しましょう。
婦人科の受診目安

初めてカンジダのような症状が現れた場合は、ほかの病気との見分けが必要になるため、婦人科を受診することが推奨されます。
また、妊娠中の方、症状を繰り返す方、症状が強い方、出血や強い痛みを伴う場合なども、自己判断せず医師へ相談しましょう。
市販薬を使用した後も症状が改善しない場合や、何度も再発する場合は、別の原因が関係している可能性もあるため、適切な診断を受けることが大切です。
カンジダの治療法と予防法

カンジダ腟炎の治療では、原因となるカンジダ属の真菌に対して抗真菌薬が使用されます。治療方法は症状の程度や再発の有無、妊娠の有無などを考慮して選択されます。
抗真菌薬よる治療が基本
カンジダ腟炎の治療には、カンジダ菌の増殖を抑える抗真菌薬が用いられます。
薬の種類には、腟錠、外用薬、内服薬などがあり、症状や患者さんの状態に応じて医師が選択します。自己判断で薬の使用を中止したり、ほかの薬へ変更したりせず、医師や薬剤師の指示に従って使用しましょう。
再発を繰り返す場合は継続的な治療が必要
カンジダ腟炎は再発することがある疾患です。年間に複数回再発する場合には、症状や再発状況に応じて、一定期間にわたり治療や管理が行われることがあります。
再発を繰り返す場合は自己判断で対処せず、医師と相談しながら治療方針を決めることが重要です。
妊娠中のカンジダ治療
妊娠中はホルモンバランスの変化などにより、カンジダ腟炎を発症しやすくなると考えられています。
妊娠中に使用できる薬剤や治療方法は、妊娠週数や症状によって判断されます。自己判断で市販薬を使用せず、必ず産婦人科医へ相談しましょう。
治療中に気を付けたいポイント
症状が落ち着いたように感じても、自己判断で治療を中断すると、症状が再び現れる可能性があります。治療期間や薬の使用方法は医師の指示に従いましょう。
デリケートゾーンを過度に洗いすぎると腟内環境のバランスに影響を与えることがあるため注意が必要です。通気性の良い下着を選び、蒸れを避けるなど日常生活の工夫も大切です。
カンジダの再発予防法

カンジダ腟炎の再発を完全に防ぐ方法はありませんが、腟内環境を乱す要因を避けることが再発予防につながる場合があります。
例えば、通気性の良い下着を選び、デリケートゾーンの蒸れを防ぐことや、十分な睡眠、ストレス管理など体調を整えることが大切です。
また、抗菌薬の使用によって腟内の細菌バランスが変化し、カンジダが増殖しやすくなる場合があります。抗菌薬は医師の指示に従って適切に使用しましょう。
カンジダの臭いだけで判断せず症状全体を確認しよう

カンジダ腟炎では、白くポロポロしたおりものや外陰部のかゆみなどがみられることがありますが、臭いは強くない場合が多いとされています。一方で、魚のような強い臭いがある場合は、細菌性腟炎など別の病気が関係している可能性もあります。
ただし、おりものの臭いや見た目だけで原因を判断することは困難です。症状が初めて現れた場合や、症状が繰り返す場合、妊娠中の場合などは、自己判断せず婦人科を受診し、適切な診断を受けることが大切です。