TOP医師監修コラムピル・避妊治療低用量ピルはPMSに効果がある?改善が期待できる理由や副作用を解説

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ピル・避妊治療

当記事の監修医師

倉田 照久

医療法人 御照会 理事長

倉田 照久

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池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

低用量ピルはPMSに効果がある?改善が期待できる理由や副作用を解説

低用量ピルはPMSに効果がある?改善が期待できる理由や副作用を解説

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当記事の主な参照元:
月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療方針|日本産科婦人科学会
OC・LEPガイドライン 2020年度版|日本産婦人科学会
月経前症候群|日本産婦人科学会

PMS(月経前症候群)のイライラや気分の落ち込み、頭痛などの症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。低用量ピルは、PMSの症状軽減を目的に処方されることがある治療法の一つです。

本記事では、低用量ピルがPMSに使用される理由や期待できる効果、副作用などをわかりやすく解説します。

PMS(月経前症候群)とは?

PMS(月経前症候群)とは?

PMS(月経前症候群)は、生理前に心や体へさまざまな不調が現れる状態です。症状や程度には個人差があり、日常生活に支障をきたす方もいます。まずはPMSの特徴や原因について理解し、自分の症状を把握することが大切です。

PMSとは

PMS(月経前症候群)とは、生理(月経)が始まる3〜10日前頃から現れる心身のさまざまな不調のことです。

症状は人によって異なり、軽い違和感程度で済む方もいれば、仕事や家事、学校生活などに影響が出るほど強く現れる方もいます。多くの場合は月経が始まると症状が軽快または消失しますが、毎月繰り返し症状が現れる場合はPMSの可能性があります。

PMSの主な症状

PMSでは、心と体の両方にさまざまな症状が現れることがあります。

代表的な精神症状には、イライラや気分の落ち込み、不安感、集中力の低下などがあり、身体症状では、腹痛や頭痛、むくみ、乳房の張り、眠気、倦怠感などがみられます。現れる症状や強さには個人差があり、毎回同じ症状が出るとは限りません。

PMSが起こる原因

PMSの原因は完全には解明されていませんが、排卵後から月経前にかけて起こる女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動が関係していると考えられています。

また、脳内で気分や感情を調節するセロトニンなどの神経伝達物質も関与している可能性があり、これらが複雑に影響し合うことで、心身のさまざまな症状が現れると考えられています。

なぜ低用量ピルをPMSの軽減に使用するの?

なぜ低用量ピルをPMSの軽減に使用するの?

低用量ピル(OC・LEP)は、避妊だけでなくPMS(月経前症候群)の症状軽減を目的として処方されることがあります。

PMSは排卵後に起こる女性ホルモンの変動が関与すると考えられており、低用量ピルは排卵を抑えてホルモン変動を少なくすることで、月経前の心身の不調を和らげることが期待されています。

症状や体質によって適した製剤は異なるため、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。

排卵を抑えてホルモン変動を少なくするため

低用量ピルは排卵を抑制し、月経周期に伴う女性ホルモンの変動を小さくする作用があります。PMSはホルモンバランスの変化が関係していると考えられているため、ホルモンの変動を抑えることで症状の軽減が期待されています。

月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針」では、OC・LEPはPMSやPMDD(月経前不快気分障害)の全般的な症状改善が期待できるとされています。

ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合製剤にはPMS・PMDDに関する研究があります。 ただし、国内のヤーズ配合錠の承認適応は月経困難症であり、PMS・PMDDは効能・効果に含まれません。

また、服用方法では、通常の周期投与よりも連続投与のほうが症状の改善が期待できる可能性も示されています。

ただし、使用できる製剤や服用方法は症状や健康状態によって異なるため、医師の判断のもとで選択することが重要です。

身体症状・精神症状の改善が期待できる可能性があるため

低用量ピルは、腹痛や頭痛、むくみ、乳房の張りといった身体症状だけでなく、イライラや気分の落ち込み、不安感などの精神症状の軽減が期待できる治療法の一つです。

実際に、PMS・PMDDを対象とした複数の臨床試験をまとめた解析では、低用量ピルを服用した方は、服用していない方と比べて月経前症状の改善がみられたと報告されています。

特にドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合製剤では、月経前症状だけでなく、日常生活や仕事・学業、人間関係への影響についても改善が報告されています。

一方で、効果の現れ方には個人差があり、すべての方で同様の変化が得られるわけではありません。そのため、症状の経過を確認しながら、医師と相談して治療を継続することが大切です。

低用量ピルのPMSへの効果はいつから?

低用量ピルのPMSへの効果はいつから?

低用量ピルは服用を開始してすぐに効果を実感できるとは限りません。ホルモンバランスが変化するまでには一定の期間が必要であり、症状の変化には個人差があります。焦らず継続しながら経過を確認することが大切です。

効果を実感する時期

効果が現れる時期には個人差があり、1〜3か月を一律の目安にはできません。複数周期の症状変化と副作用を医師と確認します。

ただし、効果が現れる時期や程度には個人差があり、服用開始直後は十分な変化を感じられないこともあります。

症状の経過を記録しながら、医師の指示に従って服用を続けることが大切です。

効果が安定するまで服用を継続

低用量ピルは、ホルモンバランスが安定するまで一定期間の継続が必要となる場合があります。そのため、服用開始後すぐに効果を感じられなくても、自己判断で中止せず医師の指示に従って服用を続けましょう

また、服用中は副作用の有無や体調の変化を確認するためにも、定期的に受診しながら安全に治療を継続することが重要です。

ピルを飲んでいるのにPMSが改善しないのはなぜ?

ピルを飲んでいるのにPMSが改善しないのはなぜ?

低用量ピルはPMSの症状軽減が期待できる治療法の一つですが、服用してもすぐに変化を感じられない方や、十分な改善がみられない方もいます。

その理由はさまざまであり、服用期間やピルの種類、ほかの病気が関係している場合もあります。症状が続く場合は自己判断せず、医師へ相談しましょう。

服用開始から間もないから

低用量ピルは、服用を開始してすぐにPMSの症状が変化するとは限りません。ホルモンバランスが安定するまでには時間がかかるため、一般的には数周期ほど経過をみながら効果を確認することがあります。

服用開始直後に十分な変化がみられなくても、自己判断で中止せず、医師の指示に従って継続することが大切です。

ピルの種類が合っていないから

低用量ピルには複数の種類があり、含まれるホルモンの種類や量が異なります。そのため、同じPMSでも症状や体質によって相性が異なり、期待した変化が得られない場合があります

症状が改善しない場合は、医師がピルの種類を変更することを検討することもあります。自己判断で服用を中止したり、別のピルへ変更したりせず、まずは医師へ相談しましょう。

PMS以外の病気が隠れていることもあるから

月経前の不調が続く場合でも、必ずしもPMSが原因とは限りません。精神症状が強い場合はPMDD(月経前不快気分障害)、疲労感や気分の落ち込みが続く場合は甲状腺疾患やうつ病など、ほかの病気が関係している可能性もあります

適切な治療を受けるためにも、症状が改善しない場合は医師の診察を受け、原因を確認することが大切です。

飲んでいてもPMS症状が出ることはある?

低用量ピルを服用していても、PMSの症状が完全になくなるとは限りません。症状の軽減が期待できる一方で、効果の現れ方や改善の程度には個人差があります

服用を続けても症状が気になる場合は、治療方法の見直しが必要なこともあるため、医師へ相談しながら自分に合った治療を検討しましょう。

低用量ピルの副作用と注意点

低用量ピルの副作用と注意点

低用量ピルは多くの方が使用している治療薬ですが、副作用や服用できない場合もあります。安全に治療を続けるためには、服用前に注意点を理解し、体調の変化があれば早めに医師へ相談することが大切です。

よくある副作用

低用量ピルの服用開始後には、吐き気や頭痛、不正出血、乳房の張りなどの副作用がみられることがあります。

これらは服用開始から数か月以内に現れやすく、多くの場合は体が薬に慣れるにつれて軽減するとされています。ただし、副作用が強い場合や長く続く場合は、我慢せず医師へ相談しましょう。

重篤な副作用

頻度は高くありませんが、低用量ピルでは重篤な副作用として血栓症に注意が必要です。血栓症とは、血液のかたまり(血栓)が血管を塞ぐことで、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症などを引き起こす病気です。

突然の激しい頭痛や胸の痛み、息切れ、片足の強い腫れや痛みなどの症状が現れた場合は、服用を続けず速やかに医療機関を受診してください。

服用できない人

低用量ピルは、すべての方が服用できるわけではありません。血栓症の既往がある方や重度の高血圧、重い肝疾患がある方などは服用できない場合があります

エストロゲンを含む配合剤では、35歳以上で1日15本以上喫煙する方は禁忌です。喫煙本数や既往歴を医師に正確に伝えてください。服用の可否は医師が総合的に判断するため、問診では既往歴や服用中の薬、喫煙歴などを正確に伝えることが重要です。

低用量ピルが向いている人・向いていない人

低用量ピルが向いている人・向いていない人

低用量ピルはPMSの治療選択肢の一つですが、すべての方に適しているわけではありません。症状の程度や体質、持病の有無などによって適した治療法は異なります。

服用を検討する際は、医師の診察を受け、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。

向いている人

低用量ピルは、月経前のイライラや気分の落ち込み、頭痛、むくみなどのPMS症状によって日常生活に支障が出ている方に選択されることがあります。

また、PMSだけでなく月経困難症(月経痛)がある方や、避妊もあわせて希望している方に適している場合があります。ただし、症状や健康状態によって適応は異なるため、医師が総合的に判断します。

向いていない人

低用量ピルは、血栓症の既往がある方や重度の高血圧、重い肝疾患など、服用が適さない場合があります。

また、副作用のリスクが高いと判断される方では、ほかの治療法が選択されることもあります。PMSの症状や持病、服用中の薬などによって適した治療法は異なるため、医師と相談しながら治療方針を決めることが重要です。

PMS改善のためにできるセルフケア

PMS改善のためにできるセルフケア

PMSの症状を和らげるためには、薬による治療だけでなく、日頃の生活習慣を見直すことも大切です。セルフケアだけで十分な改善が得られるとは限りませんが、低用量ピルによる治療とあわせて取り組むことで、症状の軽減につながる可能性があります。

食生活を見直す

栄養バランスの整った食事を心がけることは、健康維持につながります。塩分の摂り過ぎはむくみにつながる場合があるため、控えめにすることを意識しましょう

また、カフェインやアルコールは人によって症状に影響することがあるため、気になる場合は摂取量を見直してみるのも一つの方法です。

適度な運動

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの無理なく続けられる運動は、心身のリフレッシュにつながります。

適度な運動は気分転換になるだけでなく、睡眠の質の向上が期待できる場合もあります。激しい運動をする必要はなく、自分の体調に合わせて継続することが大切です。

ストレスをため込まない

ストレスはPMSの症状に影響することがあるため、自分に合った方法で心身をリラックスさせる時間をつくりましょう。

趣味や軽い運動、入浴など、気分転換できる方法を取り入れることがおすすめです。また、十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送ることもストレス対策の一つになります。

低用量ピルはPMS改善の選択肢の一つ

低用量ピルはPMS改善の選択肢の一つ

PMSは、月経前の女性ホルモンの変動に伴って起こる心身の不調であり、症状や程度には個人差があります。低用量ピルは排卵を抑えてホルモンの変動を少なくすることで、PMS症状の軽減が期待できる治療法の一つです。ただし、効果の現れ方には個人差があり、副作用や服用できない場合もあります。

また、食生活や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことも、PMS対策として大切です。症状がつらい場合やセルフケアだけでは改善が難しい場合は、一人で悩まず婦人科や産婦人科を受診し、自分に合った治療法について医師へ相談しましょう