コラムカテゴリ
ピル・避妊治療
当記事の監修医師
医療法人 御照会 理事長
倉田照久
渋谷文化村通り皮膚科 院長
生理不順はピルで改善できる?主な原因や種類・副作用を解説
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当記事の主な参照元:
OC・LEPガイドライン 2020年版
レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠(ラベルフィーユ21錠/28錠)添付文書
ノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合製剤(フリウェル配合錠LD/ULD)添付文書
生理不順が続くと、妊娠や体の不調が関係しているのか、ピルで整えられるのか不安になる方もいるでしょう。
生理不順の原因によっては、ピルが月経周期の管理に用いられる場合があります。
本記事では、生理不順の主な原因やピルの種類・副作用、注意点、対処法を詳しく解説します。
この記事の目次
生理不順はピルで改善できる?

生理不順の原因によっては、ピルを服用することで月経周期を整えられる場合があります。
ただし、ピルは服用している間の月経周期を管理する目的で用いられる場合があり、生理不順の原因そのものを治療するわけではありません。
生理不順の原因は、ストレスや生活習慣の乱れ、急な体重変化、病気、妊娠などさまざまです。たとえば、次のような症状がある場合は、まず検査や原因に応じた治療が必要になることがあります。
- 3か月以上生理がこない
- 月経ではない時期に不正出血がある
- 日常生活に支障をきたすような強い腹痛がある
自己判断で服用せず、医師に相談して原因や体の状態に合った方法を選ぶことが大切です。
生理不順にピルが用いられる理由

月経周期は、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの変化によって調整されています。ホルモンの変化が乱れると、排卵のタイミングや子宮内膜がはがれる時期も不規則になり、生理周期が安定しにくくなります。
ピルに含まれるホルモン成分は、排卵や子宮内膜の変化に作用する薬です。ホルモンの変化に働きかけることで、服用している間の出血のタイミングを調整する目的で用いられる場合があります。
生理不順の主な原因

生理不順は、原因によって対処法が異なります。ここでは、どのような要因が関係するのかを見ていきましょう。
生活習慣の乱れやストレスが関係する
生理不順は、生活習慣の乱れやストレスが関係して起こることがあります。
睡眠不足や疲労、強いストレス、引越しや転職などの環境変化をきっかけに、ホルモンバランスが一時的に乱れ、生理周期が不安定になることは珍しくありません。
また、一部の精神科系の薬や胃腸薬などが、ホルモンの変化に影響し、月経不順につながることもあります。
急な体重変化や過度なダイエットが影響する
急な体重変化や過度なダイエットも、生理不順の原因の1つです。
短期間で体重が大きく減ると、体が十分なエネルギーを確保できず、排卵が起こりにくくなることがあります。
一方で、急な体重増加や肥満も、ホルモンバランスの乱れに関係する場合があります。肥満症診療ガイドライン2022年版によると、肥満は月経不順の原因となることがあります。
妊娠や病気が原因の場合もある
生理予定日から大きく遅れている場合や、妊娠の心当たりがある場合は、使用時期を確認したうえで、市販の妊娠検査薬で確認する方法もあります。
妊娠以外の原因としては、以下のような病気が関係している場合があります。
- 内科的疾患:甲状腺機能亢進症・低下症など
- 婦人科的疾患:子宮筋腫、子宮内膜症など
「経血量が異常に多い」「激しい腹痛がある」といった場合は、早めに婦人科・産婦人科に相談してください。
生理不順に使用されるピルの種類と副作用

ここでは、生理不順の相談でピルが検討される場合、あらかじめ知っておくべき種類や副作用、注意点について解説します。
ピルは目的に応じた種類がある
生理不順の相談では、次のように主な目的に応じた種類の違いを理解しておくことが大切です。
| 種類 | 主な目的 |
| OC製剤(経口避妊薬) | 主に避妊目的で使用される |
| LEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬) | 月経困難症などの治療目的で使用される |
どちらも女性ホルモンに関連する成分を含みますが、処方される目的や保険適用の扱いは異なります。
生理不順に対してどの薬が適しているかは、原因や症状、妊娠希望の有無などをふまえて医師が判断します。
低用量ピルで副作用が起こることもある
低用量ピル(OC/LEP)では、副作用が起こることもあります。主な副作用は、以下のとおりです。
- 不正出血
- 吐き気
- 頭痛
- 乳房の張り
- むくみ
副作用は、服用を始めたばかりの時期にみられることもあります。症状が強い場合や長く続く場合は、医師に相談しましょう。
また、まれに血栓症などの重大な副作用が起こることもあります。急な足の痛みや腫れ、突然の息切れ、胸の痛み、激しい頭痛などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
低用量ピルを使用できない・注意が必要なケースもある
低用量ピル(OC/LEP)は、体の状態によって使用できない場合や、注意が必要な場合があります。代表的な例は、次のとおりです。
- 血栓症にかかったことがある
- 前兆を伴う片頭痛がある
- 35歳以上で1日15本以上喫煙している
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある
- 高血圧、肥満、肝臓の病気などがある
上記に当てはまる方や、持病・服用中の薬がある方は、診察時に必ず医師へ伝えましょう。
ピル以外の生理不順の対処法

ここでは、ピル以外の生理不順の対処法を紹介します。
睡眠や食事などの生活習慣を整える
生理不順が気になるときは、睡眠や食事などの生活習慣を見直してみてください。夜型の生活や残業が続くと、睡眠時間や食事のタイミングが乱れやすくなります。
まずは、できる範囲で睡眠時間を確保しましょう。食事を抜いたり、無理な食事制限をしたりしないことも大切です。
ストレスをため込まない工夫をする
人間関係のストレスや仕事の忙しさによる疲労が続くと、生理周期が乱れることがあります。休む時間が取りにくい方も、隙間時間でリラックスすることが大切です。
たとえば、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、軽いストレッチをする、アロマを焚くなど、自分なりのリフレッシュ方法を見つけましょう。
原因に応じた治療を受ける
生活習慣を整えても生理不順が続く場合は、原因に応じた治療が必要になることがあります。
気になる症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず、婦人科・産婦人科への相談を検討してください。
受診時には、次の内容をメモしておくとよいでしょう。
- 直近の生理開始日や周期
- 出血量や不正出血の有無
- 腹痛や体調不良の有無
- 服用中の薬
事前に情報を整理しておくと、診察時に症状を伝えやすくなります。
生理不順とピルに関するよくある質問

ここでは、生理不順とピルに関するよくある質問をまとめました。
保険適用の有無は、診断名や処方目的、薬の種類によって異なります。避妊目的のOC製剤は、自費診療となることが一般的です。
一方、月経困難症などの診断に対して治療目的でLEP製剤が処方される場合は、保険適用になることがあります。ただし、生理不順のみで必ず保険適用になるとは限らないため、診察時に確認しましょう。
ピルをいつまで飲むかは、症状や処方目的、妊娠希望の有無などによって異なります。月経周期を整える目的で服用している場合でも、もともとの原因によっては、中止後に再び周期が乱れることがあります。
服用を続けるか中止するかは、処方を受けた医療機関に相談してください。
ピルをやめたからといって、必ず生理不順になるわけではありません。ただし、もともと生理不順の原因がある場合は、服用を中止したあとに周期の乱れが再び目立つことがあります。
やめた後に生理がこない状態が続く場合や、妊娠の可能性がある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
生理不順でお悩みの方は医療機関に相談を

生理不順はストレスや生活習慣の乱れ、体重変化、病気、妊娠などさまざまな原因で起こる症状です。原因によっては、ピルで月経周期を整えられる場合があります。
食事や睡眠などの生活習慣を整えたり、ストレスをため込まない工夫をしたりすることも大切です。
仕事が忙しく通院時間が取れない方や、夜型の生活で日中の受診が難しい方も、放置せず医師に相談しましょう。通院が難しい場合、オンライン診療の利用も選択肢の1つです。