TOP医師監修コラム男性向けAGA頭頂部の薄毛はAGAの初期症状?思い込みとの見分け方や治療法を解説

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男性向けAGA

当記事の監修医師

倉田 照久

医療法人 御照会 理事長

倉田 照久

Profile

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

頭頂部の薄毛はAGAの初期症状?思い込みとの見分け方や治療法を解説

頭頂部の薄毛はAGAの初期症状?思い込みとの見分け方や治療法を解説

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当記事の主な参照元:
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版
男性型脱毛症(AGA)について|日本臨床毛髪学会
脱毛症 – 皮膚科Q&A|公益社団法人日本皮膚科学会

頭頂部の薄毛(つむじはげ)は、多くの男性が抱える悩みです。自撮りで頭皮が写り込むなどのきっかけで頭頂部が気になり始めた男性もいることでしょう。

頭頂部の薄毛はAGA(男性型脱毛症)の初期症状の可能性がありますが、単なる思い込みのケースもあります。

本記事では、頭頂部のセルフチェック方法やAGAで薄毛になるメカニズム、治療法まで詳しく解説します。

AGA?それとも思い込み?頭頂部をセルフチェック

AGA?それとも思い込み?頭頂部をセルフチェック

頭頂部の頭皮が見えるからといって、必ずしもつむじはげであるとは限りません。生まれつきのつむじの状態や毛の流れによっては、頭頂部が薄毛になっているように見えてしまうこともあります。

頭皮の状態に問題がなく、毛髪に太さやハリ・コシがある場合、頭頂部の薄毛は思い込みの可能性があるでしょう。

一方で、下記のセルフチェックの項目に多く当てはまる場合は、何らかの原因で頭頂部の薄毛が進行している可能性があります

頭頂部の状態をセルフチェック

  • 毛髪が以前より短く細く変化している
  • 毛髪からハリやコシが失われている
  • 以前に比べ、洗髪時の抜け毛が増えた
  • 年齢とともに薄毛が進行している
  • 毛髪がパサつき、ツヤがなくなっている
  • 側頭部と頭頂部で髪質が違うと感じるようになった
  • 頭皮にかさぶたがある
  • 頭皮が脂っぽい
  • 洗髪してもフケが出やすい

頭頂部の薄毛はAGAの初期症状のひとつ

頭頂部の薄毛はAGAの初期症状のひとつ

AGA(男性型脱毛症)は男性の薄毛の多くを占める脱毛症で、決して珍しい病気ではありません。初期段階では頭頂部の毛髪が細く短くなることがあるため、あなたの頭頂部の薄毛もAGAが関係している可能性があります。

AGAは進行性の脱毛症なので、早期から治療を開始することが望ましいとされています

ここではAGAの特徴や、AGAが起こるメカニズムを解説します。

AGAはどんな病気?

AGAは、毛の生え変わるサイクル(毛周期)のうち「成長期」が短くなり、「休止期」の毛が多くなることで薄毛が進行する脱毛症です。

通常、毛周期の成長期は2~6年続くとされています。しかし、AGAになると成長期が1年~数か月と短くなり、毛髪が十分に成長できなくなってしまうのです。

毛周期の特徴
成長期毛髪が伸びる時期。通常、毛髪の約9割が該当する。
退行期毛髪の成長が止まり、生え変わりに備える時期。
休止期次の成長期に備えて休む時期。

毛髪が十分に成長せず、細く短くなることを軟毛化といいます。前頭部や頭頂部の軟毛化は、AGAの初期段階によくみられる特徴です。

AGAは思春期以降に始まり、徐々に進行します。40代以降も進行が止まるとは限らないため、変化が気になる場合は医師へ相談してください。

日本皮膚科学会のガイドラインで引用されている過去の調査では、日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約30%と報告されています 。

AGAが起こるメカニズム

AGAの主な原因は、男性ホルモン(テストステロン)から作られるDHT(ジヒドロテストステロン)という物質だといわれています。DHTとは、酵素(5α-還元酵素)の働きによって変化した、活性型の男性ホルモンです。

本来、毛髪は根元にある「毛乳頭」の指令によって、「毛母細胞」が分裂を繰り返すことで成長します。しかし、前頭部や頭頂部に運ばれた男性ホルモンがDHTに変化すると、抜け毛を促す脱毛因子(TGF-β、DKK1)が産生されてしまいます。

脱毛因子には、毛母細胞の分裂や増殖を抑制する作用があります。その結果、成長期にあった毛髪は十分に成長できないまま退行期へ移行し、軟毛化が進んで薄毛となるのです。これらのメカニズムから、DHTは「脱毛ホルモン」と呼ばれることもあります。

またAGAの発症には、男性ホルモンと5α-還元酵素に関する遺伝的背景も関係しているといわれています。

AGAの治療法と生活習慣の見直しポイント

AGAの治療法と生活習慣の見直しポイント

頭頂部の薄毛にAGAの疑いがある場合は、医師による診断や鑑別診断(AGA以外の原因が隠れていないかの確認)を受けることが望ましいです。

AGAは、皮膚科や専門のクリニックで相談できます(自由診療)。ここでは、医薬品を用いたAGA治療や日常生活で実践できる工夫について解説します。

ガイドラインで推奨されているAGA治療薬を使う

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、AGA治療では、次の3つの医薬品を用いることが強く勧められています。

フィナステリド5-α還元酵素(II型※)を阻害してDHT産生を抑える飲み薬。3か月の連日投与により効果が発現する場合もありますが、効果が確認できるまで通常6か月の連日投与が必要です。
デュタステリド5-α還元酵素の(I型、II型※)を阻害してDHT産生を抑える飲み薬。投与開始初期に改善が認められる場合もありますが、治療効果を評価するためには、通常6か月間の治療が必要です。
ミノキシジル外用剤毛乳頭細胞や毛母細胞を刺激することによって発毛を促す成分「ミノキシジル」を含有した塗り薬。効果には個人差がありますが、効果が分かるようになるまで少なくとも4か月間、毎日使用する必要があるとされています。

※5-α還元酵素I型は全身の皮脂腺に、II型は前頭部や頭頂部に集中しています。

AGA治療は自由診療(保険適用外)のため、費用は受診する医療機関や治療プランによって異なります

フィナステリド・デュタステリドでは性機能に関連する症状や肝機能への影響、ミノキシジル外用剤では頭皮のかぶれ等が報告されています。詳しい副作用については、医師にご確認ください。

医師から定められた期間使い続けても効果が感じられない際も、必ずご相談ください。

参照:
フィナステリド錠添付文書
デュタステリド錠添付文書
ミノキシジルローション5%「JG」添付文書

生活習慣の見直しを行う

健康的な生活やヘアケアは大切ですが、生活習慣の改善だけでAGAの進行を防ぐ確立した方法はなく、治療の代わりにはなりません。

以下のような生活習慣の見直しを意識するとともに、早めに医師へ相談しましょう

①ヘアスタイルを工夫する
髪や頭皮に負担のかかる髪型や、頻繁なカラーリングは控えましょう。

②ヘアケア商品を見直す
自分に合ったシャンプーやコンディショナー、トリートメントを使っているか確認しましょう。頭皮が赤く炎症している、脂っぽくなっている場合はヘアケア商品が合っていない可能性があります。

③バランスのとれた食生活を心がける
毛髪の新陳代謝には各種のビタミン、ミネラルが関係しているといわれています。栄養バランスが偏っていないか、食生活を見直しましょう。

④規則正しい生活を送る
過度なストレスは、毛髪に必要な栄養を運ぶ血液の流れに悪い影響を及ぼすおそれがあります。無理をせず、適度に休息を入れながら規則正しい生活を送りましょう。

頭頂部の薄毛を目立たせないための工夫をする

次のような工夫で、頭頂部の薄毛が目立たなくなる可能性があります。

  • 分け目を変える
  • パーマをかけてボリュームを出す
  • 短めにカットして、根元を立ち上げるようにヘアスタイリング剤でセットする

なお、ヘアセットの際は毛髪と頭皮を守るためにヘアドライヤーを近づけ過ぎないように気を付けましょう。最初は遠目からかけて、乾いてきたら近づける、または1カ所に当て過ぎないといった工夫も必要です。

参照:
毛髪にまつわるQ&A|日本毛髪科学協会

自家植毛術も検討する

自家植毛術は、AGAになりにくい後頭部の毛髪を薄毛になりやすい頭頂部や前頭部に移植する治療法です。フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジル外用剤による効果が不十分で、ほかに手段がない場合に、十分な経験と技術を有する医師が施術することを条件として検討します。

また、手術の一種なので医薬品を使った治療と比較して費用がかかる点には注意が必要です。

なお、過去に多くの有害事象が報告されていることから、人工毛植毛術は原則として行うべきではないとされています。

頭頂部の薄毛が治らない?AGA以外が原因の場合も

頭頂部の薄毛が治らない?AGA以外が原因の場合も

頭頂部の薄毛の原因が、AGA以外の病気である場合もあります。薄毛や抜け毛の原因はさまざまなので、専門医に相談して自分に合った方法でケアすることが大切です。

頭頂部の薄毛に関係する病気には、次のようなものがあります。

円形脱毛症自己免疫反応により毛が抜けてしまう脱毛症。
牽引性脱毛症ヘアアイロンなど、毛髪が強くひっぱられるようなヘアスタイルを続けたことによる脱毛症。
休止期脱毛過激なダイエットなど、身体に過度の負担がかかることで生じる脱毛症。
ケルスス禿瘡(とくそう)白癬菌(水虫の原因にもなる真菌)が頭皮や毛根に感染。毛髪が簡単に抜け落ちるほか、頭皮に痛みや膿(うみ)などが生じる。
脂漏性皮膚炎皮脂分泌の多い部位に生じる炎症性皮膚疾患。マラセチア(真菌)や皮脂、炎症反応などが関与し、頭皮では赤み、フケ、かゆみがみられる。
その他甲状腺機能低下症、副腎皮質機能不全症や亜鉛欠乏症など。

参照:
日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019|公益社団法人日本皮膚科学会

頭頂部の薄毛が気になったら早めに医師へ相談を

頭頂部の薄毛が気になったら早めに医師へ相談を

「頭頂部が薄くなった」「薄毛の原因はAGAかも?」と感じたら、ぜひ早めに医師へ相談しましょう。

頭頂部の薄毛はAGAのほか、さまざまな原因が考えられます。医師の診断によって原因を特定したうえで、症状に適した治療を始めることが大切です。医師に相談すれば、生活習慣で気をつけるべき点についても、一人ひとりの状態に合わせたアドバイスを受けられます。

頭頂部の薄毛は自己判断で対策をせず、医師との二人三脚でケアしていきましょう。